「哲学者」の「不愉快・かんしゃく・不平」の無い生活:『吾輩は猫である』②
- 2023/08/09
- 00:05
2023年
「明治村」への旅を計画して
『吾輩は猫である』の再読を📖
はじめました

「明治村」 撮影:2023年3月31日
「明治村」に…
夏目漱石が
『吾輩は猫である』を執筆した
「猫の家」が
移築されています

「明治村」の夏目漱石の住居 撮影:2023年3月31日
私は…
夏目漱石が
『吾輩は猫である』を執筆した
「猫の家」を眺めながら
『吾輩は猫である』…を
読みたかったのです…😁…

「明治村」の夏目漱石の住居の書斎 撮影:2023年3月31日
夏目漱石の…書斎の…特注の机の上には
『吾輩は猫である』…の自筆原稿が
おいてありました
書斎の中に入ることがデキル…ナンテ
思いませんでした…😍…

「明治村」の夏目漱石の住居の書斎 撮影:2023年3月31日
「猫の家」の書斎で
『吾輩は猫である』(夏目漱石)を読む
東京大学の「三四郎池」のほとりで
『三四郎』(夏目漱石)を読む
国際寝台列車で
『オリエント急行殺人事件』(アガサ・クリスティー)を読む
ものすご~~っく
贅沢な読書タイムだと
思っています…😁…
。。。。。
アレから~~📅~~📅~~ずっと
『吾輩は猫である』…を
東京の電車の中で__🚋🚋__
とろとろ
読んでいる…😁…
で…
7月は―――――
なんか
ムカツクコトが多くて…😢…
イライラしていた
ちょうど…そんな折…
読んだページが…
ぼくは不愉快で、
かんしゃくが起こってたまらん。
どっち向いても不平ばかりだ
コレは👆…「吾輩」ニャンコの「主人」のことば
ちょうど~ソノトキの
のりちゃんの「思い」も
コンナだった
不愉快で、
かんしゃくが起こって
不平ばかり
まるで~のりちゃんの「気持ち」を代弁してくれてるみたいな…
ことばだった。
『吾輩は猫である』…のりちゃんが読んだ場面は…
その日…
「吾輩」ニャンコの「主人」のトコロに珍客が来た
その珍客のコトを
「吾輩」ニャンコは「哲学者」と呼んだ
その次に来たのが――主人のうちへこのくらい客の来たことはない。交際の少ない主人の家にしてはまるでうそのようである。しかし来たに相違ない。しかも珍客が来た
(中略)
迷亭の美学者たるに対して、吾輩はこの男を哲学者と呼ぶつもりである。なぜ哲学者というと、何も迷亭のように自分で振り散らすからではない、ただ主人と対話する時の様子を拝見しているといかにも哲学者らしく思われるからである。これも昔 の同窓と見えて両人とも 応対振りはしごく打 ち解 けたありさまだ。
引用p296
『吾輩は猫である』夏目漱石
角川文庫
発行:昭和54年43版
その…
「吾輩」ニャンコが「哲学者」と呼ぶ
「哲学者」のよーな「珍客」に
「吾輩」ニャンコの「主人」は…
愚痴るんだ
ぼくは不愉快で、
かんしゃくが起こってたまらん。
どっち向いても不平ばかりだ
なぜ~
~

ソンナ話になったかというと……
「主人」と同窓の
「哲学者」は…
互いの同窓で
やはり「猫の家」の客である
「迷亭」~やら
「鈴木」の
噂話をするのである
「うん迷亭か、あれは池に浮いてる金魚麩のようにふわふわしているね。せんだって友人を連れて一面識もない華族の門前を通行した時、ちょっと寄って茶でも飲んで行こうと言って引っぱり込んだそうだがずいぶんのんきだね」
「それでどうしたい」
「どうしたか聞いてもみなかったが、――そうさ、まあ天稟の奇人だろう、そのかわり考えも何もない全く金魚麩だ。鈴木か、――あれがくるのかい、へえー、あれは理窟はわからんが世間的には利口な男だ。金時計は下げられるたちだ。しかし奥ゆきがないから落ち付きがなくってだめだ。円滑々々と言うが、円滑の意味も何もわかりはせんよ。迷亭が金魚麩ならあれは藁でくくったこんにゃくだね。ただわるくなめらかでぶるぶるふるえているばかりだ」
主人はこの奇警な比喩を聞いて、大に感心したものらしく、久しぶりでハハハと笑った。
引用p296-p297
『吾輩は猫である』夏目漱石
角川文庫
発行:昭和54年43版
噂話の…「人物評」として
「哲学者」は…
次のような「比喩」で評した
「迷亭」は…「金魚麩」(きんぎょふ)
「金魚麩」=金魚のエサにする「麩=ふ」のこと
つまり…
金魚の泳ぎ=(他人の反応)によって
アッチコッチに
ふわふわ移動する…というコトかな

「鈴木」は…こんにゃく
なめらかでぶるぶるふるえてる
それに…
簡単に形を変えられるよね

この…人物評の「比喩」を聞いて
「主人」は「哲学者」に訊ねるんだ
「そんなら君は何だい」
「ぼくか、そうさなぼくなんかは――まあ自然薯ぐらいなところだろう。長くなって泥の中にうまってるさ」
「哲学者」の「返答」を聞いて…
「主人」はうらやましがる
「君は始終泰然として気楽なようだが、うらやましいな」
「なに普通の人間と同じようにしているばかりさ。別にうらやまれるに足るほどのこともない。ただありがたいことに人をうらやむ気も起こらんから、それだけいいね」
「会計は近ごろ豊かかね」
「なに同じことさ。足るや足らずさ。しかし食うているから大丈夫。驚かないよ」
引用p297
『吾輩は猫である』夏目漱石
角川文庫
発行:昭和54年43版
うらやましがる「主人」に向かって
「哲学者」は言うんだ
ありがたいことに人をうらやむ気も起こらんから、それだけいいね
さらに…「主人」が
経済的なことを訊いても
なに同じことさ。足るや足らずさ。
しかし食うているから大丈夫。
「哲学者」は…金銭面でも
食うているから
大丈夫
そう言ってのけたのだ
「哲学者」は…
まったく「不平のない生活」をしている
「不愉快」でもないし~
トーゼン
かんしゃくも起きない
で…
「吾輩」ニャンコの「主人」は
思わず
愚痴るんだ
ぼくは不愉快で、
かんしゃくが起こってたまらん。
どっち向いても不平ばかりだ
「哲学者」は…
軽く…返した
不平もいいさ。
不平が起こったら起こしてしまえば当分はいい心持ちになれる。
人間はいろいろだから、
そう自分のように人にもなれと勧めたって、
なれるものではない。
=つづく=
――ブログ:『吾輩は猫である』――
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