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小泉八雲と三四郎池:「宇太郎」文学散歩㊻



野田宇太郎の

後追い『文学散歩』なのに…


またしても

三四郎池で

立ち止まっています(笑)



0-P4232340.jpg
撮影:2022年4月23日


東京都文京区

東京大学構内にある…です



近くの最寄り駅は…

南北線・東大前駅
都営大江戸線・本郷三丁目駅
丸の内線・本郷三丁目駅
千代田線・湯島駅/根津駅
山手線・上野駅
(他は省略)


超・都心ですよねーー



1-P4232390.jpg
三四郎池の説明板 撮影:2022年4月23日


池の正式名称は…育徳園心字池




だけど…

夏目漱石が

『三四郎』

を書いて以来


「三四郎池」の名で親しまれています




。。。。。




三四郎池は…

三四郎池…と呼ばれているように

夏目漱石の小説『三四郎』

度々登場する




しかし…


実際の三四郎池を見てから~


『三四郎』を読むと~📖


全然…小説の印象がちがってくる






『三四郎』を読んだ

田舎の高校生だった…のりちゃん




高校生ではなくなった…数十年後…


実際に見た…三四郎池は

想像を絶するだった😲




とても~とても~


東京という


都会のど真ん中にアル…のイメージではなかった





まさに

想定外





実物を目にする以外に
小説の情景を思い描くことが…

私には不可能だった






例えば…


与次郎が
小泉八雲の話をする場面がある



三四郎が佐々木与次郎と
はじめて出会った場面が…

次の部分である



隣の男は感心に根気よく筆記をつづけている。覗いて見ると筆記ではない。遠くから先生の似顔をポンチに書いていたのである。三四郎が覗くや否や隣の男はノートを三四郎の方に出して見せた。画は旨く出来ているが、傍に久方雲井の空の子規と書いてあるのは、何の事だか判じかねた。

(中略)

さっきポンチ画をかいた男が来て、
「大学の講義はつまらんなあ」と云った。三四郎はいい加減な返事をした。実は詰るか詰らないか、三四郎にはちっとも判断が出来ないのである。しかしこの時からこの男と口をきくようになった。
 その日は何となく気がして、面白くなかったので、池の周囲を回る事は見合わせてへ帰った。




翌日
三四郎は…

佐々木与次郎から

小泉八雲の話を聞く


 
 昼飯を食いに下宿へ帰ろうと思ったら、昨日ポンチ画をかいた男が来て、おいおいと云いながら、本郷の通りの淀見軒と云う所に引っ張って行って、ライスカレーを食わした。淀見軒と云う所は店で果物を売っている。新らしい普請であった。ポンチ画をかいた男はこの建築の表を指して、是がヌーボー式だと教えた。三四郎は建築にもヌーボー式があるものと始めて悟った。帰り道に青木堂も教わった。やはり大学生のよく行く所だそうである。赤門を這入って、二人で池の周囲を散歩した。その時ポンチ画の男は、死んだ小泉八雲先生は教員控室へ這入るのが嫌で講義が済むといつでもこの周囲をぐるぐる廻ってあるいたんだと、あたかも小泉先生に教わったような事を云った。なぜ控室へ這入らなかったのだろうかと三四郎が尋ねたら、
「そりゃ当り前ださ。第一彼等の講義を聞いても解るじゃないか。話せるものは一人もいやしない」
と手痛い事を平気で云ったには三四郎も驚いた。この男は佐々木与次郎と云って、専門学校を卒業して、今年また選科へはいったのだそうだ。東片町の五番地の広田と云ううちに居るから、遊びに来いと云う。下宿かと聞くと、なに高等学校の先生の家だと答えた。


『三四郎』引用p38~p41

著者:夏目漱石

発行所:講談社(講談社文庫)






佐々木与次郎は…

小泉八雲とについて

次のように…言うのである




小泉八雲先生は教員控室へ這入るのが嫌で講義が済むといつでもこの周囲をぐるぐる廻ってあるいたんだ






コノ🔁

周囲をぐるぐる廻って



ココから…


私は…

のまわりをぐるぐる🔁何周もする様子を…想像した



学生だったら~~軽いジョギング~

みたいなかんじ



教授だし~

あるいたんだ

とあるから~


考え事をしながら

周囲をぐるぐる廻ってあるいた

そんな~様子を想像した




たぶん~講義と講義の間の
空き時間に


気分転換の
お散歩だろー


そう~思いながら
読んだ





しかし❕


実際

の周りを歩いてみると~


考え事をしながら~
ぼぉ~~っとしながら~


歩けるような『道』じゃない


慎重に
一生懸命に歩かないと
怪我をしてしまうよーな『道』


1-P4162077-2.jpg
三四郎池周辺の道 撮影:2022年4月16日


黄色道…の周囲の道=周囲をぐるぐる廻ってあるいた道かも❓

赤い⇧✖の道…文学部や図書館に着く道=から出る道


赤い⇧✖の道は…

小泉八雲が池に下りる時
通った道かも知れない~🤔~






三四郎池周辺の道は…

ヌルヌルした苔むした
険しい石段の道なので…

ヘタすると
足を滑らせて

に落ちて

大怪我をするかもしれないよーな


ソンナ~沿いの『道』なのである


1-P4162095.jpg
三四郎池周辺の道 撮影:2022年4月16日


飛び石の道しかない…場所もある



講義と講義の合間に歩くのはムリダローし


チョットお散歩~ってかんじの『道』ではない




私は…

小泉八雲は
真剣にあるいてたんだと思った


「無」になって
「無心」であるいていたのかも…しれない



外へ出て風を入れる…ために…

外の風を
頭に入れて…

頭を活きかえらせるために…





――三四郎池のブログ――








実際に三四郎池を歩いてみると…

今まで読んで…

なんとなくイメージしていた…『三四郎』


ベツモノの小説になった




実は…

若い頃は…

『三四郎』はあまり印象に残らない小説だった



卒論が
『夏目漱石研究』にもかかわらず…

『三四郎』には

いっさい触れていない😅



しかし…

今頃になって~~~読むと~📖

妙に…刺さる言葉がアル



佐々木与次郎の「ことば」が
ケッコー刺さる



百年以上前に書かれた小説なのに


昨今の~~コロナ禍の中で読むと~📖


妙に

ソーダ...ソーダ...

そう~思えてしまうのである





野田宇太郎が
『新東京文学散歩』の「覚え書」で

こんなことを書いている


コレも
70年くらい前の…文章だけど…

読んで
感動してしまった


b-2-S27-覚え書き7-2
『新東京文学散歩』増訂版覚え書
昭和27年3月
角川文庫版


宇太郎が…初版の序文に書いた文のようである


凡そ日本人の民族的性格は温故知新ではない。むしろその逆である。だからこそ温故知新の思想が必要な国柄である。破壊されたという悲哀よりも、より新しい物を追おうとする同行のほうが常に強い。


なんだか~耳の痛い『ことば』である



私は戦後の今日に如何にいたずらな過去否定の思潮が渦巻こうとも、つねに骨に徹して忘れ難い一つの言葉をひそかに抱いている。それは木下杢太郎の遺した「古典とは背に廻った未来である」という近代思想体験の心の底から滲み出たこの一言である。

(中略)

古典の宝玉を含むものは過去という一見粗悪な不要物で充たされているかに見える原礦である。然し、その捨てるに易い過去の中にこそ、古典の宝玉は光、未来への道標も亦蔵されている。

引用:『新東京文学散歩』増訂版覚え書
昭和27年3月
角川文庫版





温故知新の思想が必要な国柄である


木下杢太郎の遺した「古典とは背に廻った未来である」


古典の宝玉は光、未来への道標






今…コロナ禍で

ボロボロになりつつあるよーな日本

コロナ禍の社会にクジケソーになりそーな自分



古典の中に
温故知新の中に

未来への道標があるよーな気がしてきた



少なくとも
私は『古典』に助けられている…






『三四郎』には

次のような会話もある


三四郎が佐々木与次郎から
小泉八雲の話を聞いた場面に…つづく場面である



 それから当分の間三四郎は毎日学校へ通って、律義に講義を聞いた。必修課目以外のものへも時々出席して見た。それでも、まだ物足りない。そこで遂には専攻課目にまるで縁故のないもの迄へも折々は顔を出した。しかし大抵は二度か三度で已めて仕舞った。一ヵ月と続いたのは少しも無かった。それでも平均一週に約四十時間ほどになる。いかな勤勉な三四郎にも四十時間はちと多過ぎる。三四郎は断えず一種の圧迫を感じていた。しかるに物足りない。三四郎は楽しまなくなった。

 或日佐々木与次郎に会ってその話をすると、与次郎は四十時間と聞いて、眼を丸くして、「馬鹿々々」と云ったが、「下宿屋のまずい飯を一日に十返食ったら物足りるようになるか考えて見ろ」といきなり警句でもって三四郎を打しつけた。三四郎はすぐさま恐れ入って、「どうしたら善かろう」と相談をかけた。
「電車に乗るがいい」と与次郎が云った。三四郎は何か寓意でもある事と思って、しばらく考えて見たが、別にこれと云う思案も浮かばないので、
「本当の電車か」と聞き直した。その時与次郎はげらげら笑って、
「電車に乗って、東京を十五、六返乗回しているうちには自ら物足りるようになるさ」と云う。
「なぜ」
「なぜって、そう、活きてる頭を、死んだ講義で封じ込めちゃ、助からない。外へ出て風を入れるさ。その上に物足りる工夫はいくらでもあるが、まあ電車が一番の初歩でかつ尤も軽便だ」

 その日の夕方、与次郎は三四郎をらっして、四丁目から電車に乗って、新橋へ行って、新橋からまた引き返して、日本橋へ来て、そこで降りて、
「どうだ」と聞いた。


『三四郎』引用p38~p41

著者:夏目漱石

発行所:講談社(講談社文庫)





三四郎はすぐさま恐れ入って

とあるが


私も与次郎の「ことば」に
恐れ入った


「下宿屋のまずい飯を一日に十返食ったら物足りるようになるか考えて見ろ」


コノ「ことば」に
恐れ入った







くだらない情報を

どんなにたくさん得ても

満足はできない







外へ出て風を入れるさ。





ソーダ...ソーダ...

そう~思った




で…

私も電車に乗ろう

そう~思った





で…

「宇太郎」文学散歩…をはじめた





すると…

自ら物足りるようになる

ドコロか

ヤリタイコトが
どんどんできて…時間が足りなくなってしまった





=つづく=





――2022年…再開した野田宇太郎・後追い「文学散歩」――


――2021年の…野田宇太郎・後追い「文学散歩」――






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