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「免震構造」の技術で建てられていた幸田露伴『五重塔』:「宇太郎」文学散歩㉕


幸田露伴の小説『五重塔』のモデルとなった
谷中墓地の五重塔は…

優れた「免震構造」…によって建てられていた~
と思われます


そして…


そのような…五重塔の技術…を参考に建てられた現代建築が


東京スカイツリーなのです




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谷中墓地から眺める東京スカイツリー 撮影:2021年12月19日




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五重塔跡から眺める東京スカイツリー 撮影:2021年12月19日


幸田露伴の小説『五重塔』のモデルとなった
谷中墓地の…五重塔は…

1957年(昭和32年)

放火により
消失しました



現在は…

五重塔の…礎石…がアルダケです


2016-PA101064.jpg
在りし日の谷中・五重塔の写真=幸田露伴『五重塔』のモデル
 撮影:2016年10月10日




私は…
幸田露伴の小説『五重塔』も

放火により
焼失する話…だと思い込んでいました



しかし❕

実際の
幸田露伴の『五重塔』の話は…

優れた腕・才能&能力を持つ
大工の十兵衛のライフワークとして建てられ…


十兵衛の建てた五重塔は

素晴らしい五重塔だった…という話で

終わります




素晴らしい五重塔…というのは…


五重塔・完成直後…
百年に一度とない大嵐に遭います




しかし
五重塔は…倒れることなく…

揺れはしたけれど〰〰〰〰

釘1本ゆるまず
板1枚はがれず
ゆがみもせず

持ちこたえたのでした




幸田露伴『五重塔』の
嵐の場面で…

私は…

ある文章を
思い出しました



揺れる五重の塔

 

 不思議な建築がある。五重の塔だ。

 この地震の多い日本にあって、歴史上、五重の塔が倒れたという記録はほとんどない。一九九五年の阪神・淡路大震災でも、数多くのビルやマンションが壊れたり倒れたりする中、兵庫県内にある十三の三重の塔はすべて無事だった。いったい、三重の塔や五重の塔はなぜ倒れないのだろうか。

 明治の文豪、幸田露伴は、あるあらしの日、東京の谷中にある寺の塔を目撃して、「五重塔」という小説を書いた。その中に、激しいあらしにも倒れなかった五重の塔の描写がある。

 「揉まれ揉まれて九輪はゆらぎ、頂上の宝珠は空に得読めぬ字を書き、岩をも転ばすべき風の突っかけ来り、楯をも貫くべき雨のぶつかり来るたびたわむさま、木のきしる音、もどるさま、またたわむさま、きしる音、今にもくつがえらんず様子」と、これはまるで巨大な生き物か何かが、のたうち回るような揺れ方だ。


引用:『五重の塔はなぜ倒れないか』
上田 篤・著
光村図書 中学2年 国語 教科書(2012年頃)



👆この『五重の塔はなぜ倒れないか』という「説明文」は…
中学2年生の国語の教科書に載っていた「読書教材」です



今回
思い出して~
昔の教材を探し出してみて

ビックリ😲です



ちゃんと
幸田露伴の『五重塔』のコトが書かれていました




関心が

アルとか~無いとか~


大事ですねーーー😅





この時は…この教材を教えた頃は…

幸田露伴の『五重塔』は読んだコトがなかったし~
谷中の五重塔は…すでに無い…ので

まったく関心がナカッタのです



それよりも…

3年の修学旅行で訪れる
法隆寺の話に関心があって…

修学旅行の事前学習として…
法隆寺に関連付けて
授業をすすめたものです


ですから…
幸田露伴の個所は
まったく❕触れずに

スットバシテ

読み飛ばしたと思います😅
(メチャクチャ…イイワケ…)




ですから
ココに幸田露伴が出てくるナンテ

恥ずかしながら

スッカリ❕忘れていました〰💦




不思議な構造

 

 外見上、五重の塔は確かに五階建てだ。しかし「五階の塔」とはいわない。五重の塔は、実は、一つの建物を五つの階に区切ってできているのではなく、「五つの建物」を組み上げたようなつくりになっている。ちょうど、正月のおせち料理などを入れる重箱のように、五つの箱が積み重なった構造なのだ。もし強大な腕力があれば、上の重から順に、ひょいひょいと取り除いていけるものなのである。


引用:『五重の塔はなぜ倒れないか』
上田 篤・著
光村図書 中学2年 国語 教科書(2012年頃)





五重塔って…

一階建ての建物を
5個…重ねている❓ってこと




揺れるからこそ倒れない

 

 今から約千三、四百年前につくられた法隆寺は、世界最古の木造建築として有名である。その境内にある五重の塔の素材も木である。木は、外から力が加わったとき、曲がったり変形したりする。形は多少ゆがむが、壊れにくい。そして、外からの力がなくなれば、再び元の形に戻る。つまり、木にはしなやかさという性質があるのだ。五重の塔に用いられた木は、しなやかに変形することによって、地震のエネルギーを吸収しているのである。


(中略)


地震のときに五重の塔を見たある宮大工が、「下の重が左に傾けばその上の重は右に傾き、またその上の重は左に傾く。」と報告している。各重がやじろべえのようにバランスを保ちながら、上下の重が互い違いに動くように工夫されているのである。これも、「重箱構造」だからこそ、できることであろう。


引用:『五重の塔はなぜ倒れないか』
上田 篤・著
光村図書 中学2年 国語 教科書(2012年頃)






奈良の法隆寺は607年に創建され、
現存する世界最古の木造建築物として世界文化遺産に指定されています。

地震の国=日本において…

約1400年以上もの長い間…キョーレツな大地震に耐えてきました。




その理由が…

地震に強い理由が…


解体修理によって

だんだんとわかるようになりました



昭和9年から開始された法隆寺昭和大修理は
東大門から始まり、西円堂、大講堂、東院舎利殿及絵殿、伝法堂などが次々と解体修理されました。


その…解体修理によって

金堂と五重塔について、
7世紀後半の創建からの長い年月にわたる修理の履歴が、
詳細な調査によって解明されていったのです。



法隆寺五重塔の高さは、総高32.45m

あります


五重塔の中心には、
心柱という約30mの柱が立っています。



心柱(しんばしら)



私は…この心柱の話に

キョーレツに惹きつけられたのでした


この心柱の働きによって…

五重塔の各屋根が地震でゆらゆら揺れても、

その揺れを抑えて、


やがて〰〰〰〰〰〰


振動を弱める…という


地震に対して強い、いわゆる「免震構造」となっているのです。





この心柱


神サマじゃないか❓って


思いました




お寺の神サマって


変ですけど~(笑)


でも…

仏様じゃないヨーナ気がする(笑)





こんな…素晴らしい


人間業ではないヨーナ技術が


1400年以上もの昔の日本にアッタ…😍



スゴイですねーーー




でも…


トーゼンこのような技術は


輸入ではないか❓


と考えるワケです




ところが…👇



現代によみがえる技術

 

 この不思議な、しかし合理的な建築が、千余年も前に現れたというのは、驚くべきことだ。いったい、だれがこんな建築をつくったのだろう。ほかの多くの建築技術と同様、これらの技術も大陸から輸入されたものだろうか。

 そこで、実際にアジア大陸に行って調査してみると、現在、木造の五重の塔は、中国や朝鮮半島にもごくわずかながら存在することがわかった。しかし、日本の五重の塔にあるような心柱の働きはどこにも見いだせなかった。するとこれは、地震の多い日本の風土に合わせて、独自に発達してきた技法と考えられる。日本には縄文時代以来、山で巨木を切り、里に運んで巨柱を建てる技法があったが、心柱建築は、このような技法の上に、大陸から渡ってきたさまざまな技術が融合したのではないかと想像できるのだ。

 ところで、この五重の塔の技術が、現代建築にも生かされているのを知っているだろうか。


(中略)


阪神・淡路大震災以降は、五重の塔を見習って、このような地震への対策技術がいっそう発達してきているのだ。

 はるかな時を超え、今なお美しい姿をとどめる五重の塔。そこには、現代建築の地平をひらく「科学技術」が秘められていたのである。


引用:『五重の塔はなぜ倒れないか』
上田 篤・著
光村図書 中学2年 国語 教科書(2012年頃)





こんな…素晴らしい


人間業ではないヨーナ技術…😍



この技術は…


地震の多い日本において


独自に発達してきた技法と考えられる



ナントモ💛


素晴らしい



そして…


この五重の塔の技術が、現代建築にも生かされている


この❕法隆寺の五重塔の心柱や高さを参考に

建てられた現代建築が



東京スカイツリーなのです。





。。。。。





幸田露伴『五重塔』のモデルとなった
谷中の五重塔は…

焼失して……存在しません




現在…谷中墓地には…

五重塔の……が

五重塔の…礎石…がアルダケです



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谷中墓地 五重塔跡 撮影:2021年11月07日



でも…


その技術の素晴らしさは…


「小説」…という表現方法で


幸田露伴が残しました




その…幸田露伴『五重塔』の文学散歩によって


野田宇太郎は

幸田露伴の小説『五重塔』を残しました




幸田露伴『五重塔』📖


野田宇太郎『新東京文学散歩』📖




コレラを読んでから

谷中・五重塔跡に行くと…



陽炎のように~~

蜃気楼のように~~



五重塔が

見える…ヨーナ…気がするのです😁



2016-PA101064.jpg

在りし日の谷中・五重塔の写真=幸田露伴『五重塔』のモデル
 撮影:2016年10月10日



現代建築では、建物に伝わる地震の揺れが軽減されるような構造を「免震構造」といっているが、

五重の塔は、この「免震構造」になっていた



幸田露伴『五重塔』のモデルとなった
谷中の五重塔も

幸田露伴の描写で
優れた「免震構造」…によって建てられていた~

と思われるのです





=つづく=




――野田宇太郎の後追い「文学散歩」――


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