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訳詩集『於母影』はまるでシンフォニーのような作品でした:「宇太郎」文学散歩⑮


森鷗外の訳詩集『於母影』は…

西洋の言葉を知らない日本人に
西洋文学=西洋詩…を紹介するための…

作品だと思っていました


0-於母影「目次」「口絵」
『於母影』「目次」「口絵」


しかし
「口絵」からもわかるように👉

とても音楽的な
詩集です




『於母影』の復刻本を見たい~


ただソレだけの思いで
森鷗外記念館の図書室閲覧を申し込んだのですが~


司書の方が用意してくださった

『森鷗外・於母影研究』



コレがまた
いい本で~



どんな本かというと…

『於母影』研究1-
『森鷗外・於母影研究』

発行:昭和60年2月20日初版印刷
編者:慶応義塾大学国文学研究会
発行所:桜風社



1-おもかげ―研究本 (1)
『森鷗外・於母影研究』
執筆者紹介・奥付



『森鷗外・於母影研究』はコンナ本です👆




まず…
『於母影』の作者についての記事です


S.S.S
 『於母影』が載った『國民之友』第五八号の目録(内容目次)に、作者名として紹介された〈S.S.S〉とは〈新声社〉の略である。

『森鷗外・於母影研究』

「書誌的考察」古郡康人
p259より引用


1-おもかげ -国民の友-表紙
 『於母影』が載った『國民之友』第五八号(復刻本のコピー)




2-おもかげ―裏付け120211119_0013
『於母影』が載った『國民之友』第五八号・復刻本の奥付



2-国民の友-目次
 『於母影』が載った『國民之友』第五八号の目録



2-1-国民の友-目次

 『於母影』が載った『國民之友』第五八号の目録



 『於母影』が載った『國民之友』第五八号の目録(内容目次)に、作者名として紹介された〈S.S.S〉とは〈新声社〉の略である。




結成時期は、明治二二年春頃と推定され、「其目的と云ふものは、畢竟文学の研究であるけれども、当時の問題は、日本の歌に韻があるかないかと云ふ事の研究であつた」(井上通泰「故落合直文君」『明星』明37.2)といい、韻・平仄など漢詩の形式にもとづき、和洋の詩について議論がなわれたことが窺える。『於母影』訳者となった同人についていえば(中略)若々しいメンバーによる会合であった。

『森鷗外・於母影研究』

「書誌的考察」古郡康人
p259より引用



若々しいメンバーによる会合であった。


この若々しいメンバーとは…👇


明治22年(1889年丑年)当時のS.S.Sメンバーの年齢

落合直文 28歳(1861年生)
森鷗外 27歳(1862年生)
市村仙太郎 25歳(1864年生)
井上通泰 24歳(1865年生)
小金井喜美子 18歳(1871年生)


百年後の1989年が…平成元年
今年2021年と同じ丑年

喜美子は18歳😲



鷗外みたいなお兄ちゃんがいたら…


ドーーーなんダロー


うらやましーヨーナ―

オソロシーよーなー(笑)






其目的と云ふものは(中略)
日本の歌に韻があるかないかと云ふ事の研究であつた

とあるように…


つまり…

『於母影』の翻訳の目的が

韻・平仄…といった

音🎵…への研究だったワケだ



だから
『於母影』を音楽的な詩…と感じたのね~🤔



日本の『訳詩集』なのに
日本語ではなく…漢詩訳があるのは

日本語にはない音🎵
漢詩で表現した…ということらしい





漢詩と同じく西洋詩にも抑揚すなわち平仄があると考えていた。西洋詩の抑揚の音節が漢語の平声仄声の一字に相当するように訳出する。集中二篇(日本の歌には平仄はないと鷗外は見ていたから、いずれも漢詩訳)が該当する。

『森鷗外・於母影研究』

「書誌的考察」古郡康人
p264より引用



スゴイ発想だねーーー



そして…ソレがデキル…という


スゴイ技術=能力だねーーー




しかも…

音🎵にこだわって

『訳詩集』の内容が…テキトーだったワケではない
(コノヘンの詳細は次回につづく)




『於母影』の世界

1 冒頭の「いねよかし」にみられる故郷をあとに流離する男性像は、掉尾の「別離」にも継承され、いわば首尾照応する。(中略)
2 原作を唯ひとつ日本の古典からもとめた「鬼界島」の詩から死のテーマが現われ、この「鬼界島」を境に前後を分けると、前半の最後「わかれかね」と後半於最後「別離」とはともに別れをテーマとする。(中略)
3 「現代諸家の小説を読む」(明22.11)で鷗外が評したように、「ミニヨン」には「南欧、温和の風景」、「あしの曲」には「北天、凄冷の物色」を想起するといった対比があり、それが前半と広範囲それぞれ配される。「ミニヨン」には男を慕う少女ということで後半の「オフエリヤ」との対比もある。


『森鷗外・於母影研究』

「書誌的考察」古郡康人
p265p266より引用



『於母影』には配列意識が明確にあるのではないか、ということの一つの傍証として指摘しておく
『森鷗外・於母影研究』

「あしの曲」古郡康人
p147より引用




『於母影』の世界…を読んでわかったコトは…



訳詩集『於母影』全体に
共通するテーマがある

そのテーマは「別離」だけど
故郷への「別離」から
「死」による「別離」

へとかわってゆく


「詩」による対比もある

温かい冷たい…風景の対比
異性を慕う…という対比


つまり…

訳詩集『於母影』は…


単に…西洋の詩を訳して紹介したものではなく

全体で

1つの作品📘になっている





2目次-おもかげ
『於母影』「目次」




訳詩集『於母影』は…

全体で

1つの作品📘になっている



まるで…

CDとか
レコードが

1曲🎵1曲🎵チガウ曲だけど
その並び順に意味があって…

1枚のレコードやCDが
1つの作品になっている~ようなかんじ❔

そんな印象を受けました




そして
その作品は…個人のソロ作品ではなく…

若々しいメンバーが
協力して
創り上げた作品



訳詩集『於母影』は…

複数の演奏者による…オーケストラが奏でる🎺🎻🎷


まるでシンフォニー❔

交響詩のような❔

作品だ



私は…
そう…思ったのです



実際に…
訳出作業時の…喜美子の回想の言葉が載っていました


喜美子の回想にいう、「お兄様が文字と意味とをいつて、それぞれにお頼みになります。中には意味だけいつて、お自由にと仰しやるのもありました」(『鷗外の思ひ出』昭31.1)

『森鷗外・於母影研究』

「書誌的考察」古郡康人
p260より引用




まるで😲

鷗外は…指揮者のようです



ここは…コンナフウに弾いて❕

ここは自由に演奏して…



そう~♪♬~指揮者が

演奏者に指示しているように…


私は感じました





=つづく=





――野田宇太郎の後追い「文学散歩」――

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