お星さまになった海部宣男先生
- 2019/04/15
- 22:38
元国立天文台長の海部宣男さん死去
「すばる望遠鏡」の設計・建設を主導
元国立天文台長で米ハワイ島にある「すばる望遠鏡」の設計、建設を主導した海部宣男(かいふ・のりお)さんが13日、膵臓(すいぞう)がんのため、東京都八王子市内の自宅で死去した。
1943年、新潟市生まれ。東京大助手、国立天文台教授、同台ハワイ観測所の初代所長などを経て、2000~06年同台長。同台野辺山宇宙電波観測所(長野県南牧村)の大型電波望遠鏡の建設に尽力。天文学の発展、普及に貢献した。12~15年には国際天文学連合会長を務めた。
(『毎日新聞』ニュースより)
2015年
私は…放送大学の『宇宙・自然システムと人類』という講義を受講しました
講義の内容は
先生たちのお話が
とても興味深く、印象に残った授業でした
海部宣男先生はその授業の主任教授でした
海部先生と
有本信夫先生(国立天文台教授・ハワイ観測所長)の…
という気持ちがビンビン伝わってくる授業で…
楽しそうに授業をすることの大切さを
改めて感じたものです
去年か一昨年…講義を再視聴しようとしたら…
講義は全部で15回あるのですが
最初(第1回)と最後(第15回)の講義が海部先生でした
最後の講義の最後の言葉が…とても印象に残りました
最後の講義の最後の内容は…こんな内容でした
地球生物の進化史の中で、人間を「第四次生物」ととらえたい。
第一次生物は…原核細胞生物
第二次生物は…真核細胞生物
第三次生物は…多細胞生物➜(普段私たちが目にしている生物のこと)
そして
第四次生物が…人類である
なぜなら、人間は地球上で初めて、本来は個のものにすぎなかった獲得情報を
時間と空間を超えて受け継ぎ共有することを始めた生物だからである
言葉と文字による学習情報の伝達と共有、そして世代と地域を超えてのその蓄積…
人類は「個」を大きく超え、種(人類社会)全体として、「知」の共有にむけて踏み出した生物である
本来科学とは「知る」活動である
知ったことをもとにして「作る」のが技術である
科学とはまず「知る」こと、そして「理解する」ことである
情報を十分活用し、それぞれを調和させて人類文明という車を賢く動かさないと
暴走して崖から落ちる
とりわけ、科学は、私たちの行く手が断崖か急坂か、あるいは曲がるべき場所かを知り判断する基本である
遠くを見、広く探り、深く知って理解するその役割は
現代にあってこそ、ますます重要といえるだろう
放送大学テキスト『宇宙・自然システムと人類』p278~p279より引用・抜粋
このような思い・欲求・そして行動は…
第四次生物である『人類』ならではの活動なんだな…
と思ったものです
そして…テキストには書いてないお話が
たぶん…次のようなお話だったと思うのです
われわれは星の子である
何人もの先生が講義のなかでおっしゃいました
しかも…どの先生も…照れくさそうにおっしゃるのです(笑)
科学者としては、こんな文学的な表現は照れくさいのかもしれません
地球を含めた星たちが
星間ガスから生まれ…
そして、超新星爆発によって星は世代交代をする…
その爆発などでまき散らされたもので、様々な元素を合成する…
そうやって星が作り出した元素で
地球も人間のカラダもできている…
だから、われわれは「星の子」である…というのです
死んだら星になるというのは
(2015年のブログより)
最近ニュースになったブラックホールを
撮影ではなくご自分で確かめに行かれたのかもしれません
テレビ画面でしか知らない先生ですが
なんだか涙が出てきました
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