『土佐日記』の「土佐泊」は高知ではなく「鳴門」にありました
- 2019/01/07
- 01:00
今回、大塚美術館がある鳴門市に来た目的は…
大塚美術館以外に、もう一つありました
大塚美術館の近くに…
土佐泊
というところがあって
紀貫之が書いた『土佐日記』に出てくるのです
『土佐日記』は…
土佐に赴任した紀貫之が
任期を終えて京都に帰京する船旅を綴った作品です
土佐泊は…
土佐…という地名ですから
二十九日。船出だして行く。
(中略)
おもしろき所に船を寄せて、「ここやいづこ」と問ひければ、「土佐の泊」といひけり。
『土佐日記』より引用
「ここはどこ?」と尋ねたら、「土佐の泊」と言った…というんですね~
『土佐日記』を文章だけで読んでいると…
昨日まで土佐(泊)にいたのに
夜中に出航して翌日には和泉の国に到着しているのです~

三十日。
雨風吹かず。
「海賊は夜歩きせざるなり」と聞きて、
夜中ばかりに船を出だして、阿波の水門を渡る。
(中略)
寅卯の時ばかりに、
沼島といふ所を過ぎて、
たな川といふ所を渡る。
からく急ぎて、和泉の灘といふ所に至りぬ。
『土佐日記』より引用
29日に土佐の泊に到着
翌30日の夜中に出航して…
阿波の水門を渡り…
沼島を過ぎて…
翌朝、和泉の灘に到着
「和泉の灘」ですから…
きっと今の大阪府内でしょうね~
地図を見ると…
たしかに…
土佐泊は…
高知ではないように思われるのですが…
地図を見ながら文章は読まないし…(笑)
というわけで…
この辺の『土佐日記』のくだりが
だいたい…
男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。
ではじまる『土佐日記』…
男の紀貫之がこのように書いているワケですから~
『土佐日記』は創作部分も多いのです
ですからここも…
ナンテ思ったりするワケです(笑)
鳴門駅前から
鳴門公園行のバスに乗って_🚌__
大塚美術館に行きました
途中
土佐泊というバス停があって…
ちょっと興奮でした(笑)
ちなみに…
このバスの終点「鳴門公園」で降りると
渦の道に行くことができます
ブログ:鳴門の渦潮を見に行きました
カンケーないですけど…
「野」というバス停には…何度聞いても笑いそうになりました
「次はのです」と言われてもね~(笑)
でも…
バス停の名前を眺めるだけでも
歴史のある土地だとわかります~
バス停の土佐泊では…
だれも下車しないし、だれも乗らない…ので
バスはバス停で停まりませんでした…
が…
舟が停泊しているので…
バスが土佐泊バス停を過ぎると
郵便局が見えました~👀
~

このへんでコーフンして撮影している乗客は…
私のほかはだれもいませんでした(笑)
紀貫之は…
国府に近い高知県の大津を出発して
室津まで行くのですが
この室津から室戸岬越えがなかなかできず
何日も何日も足止めを食います
そして
ようやく土佐泊に到着したと思ったら…
すぐに翌日の夜には出航して…
翌朝は「和泉の灘」に到着するのです…
土佐泊=土佐だと思っていた私は…
メチャクチャ不自然に感じました(笑)
鳴門からは和歌山県が見えるほど近いのです
『土佐日記』の船旅は…
紀貫之の京への旅路は…
=つづく=
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