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『土佐日記』の「土佐泊」は高知ではなく「鳴門」にありました


今回、大塚美術館がある鳴門市に来た目的は…

大塚美術館以外に、もう一つありました


大塚美術館の近くに…

土佐泊

というところがあって
紀貫之が書いた『土佐日記』に出てくるのです



『土佐日記』は…

土佐に赴任した紀貫之が
任期を終えて京都に帰京する船旅を綴った作品です



土佐泊は…

土佐…という地名ですから
土佐=高知だと思うではないですか



二十九日。船出だして行く。

(中略)

おもしろき所に船を寄せて、「ここやいづこ」と問ひければ、「土佐の泊」といひけり。

『土佐日記』より引用



「ここはどこ?」と尋ねたら、「土佐の泊」と言った…というんですね~



『土佐日記』を文章だけで読んでいると…

昨日まで土佐(泊)にいたのに
夜中に出航して翌日には和泉の国に到着しているのです~



三十日。
雨風吹かず。
「海賊は夜歩きせざるなり」と聞きて、
夜中ばかりに船を出だして、阿波の水門を渡る

(中略)

寅卯の時ばかりに、
沼島といふ所を過ぎて、
たな川といふ所を渡る。
からく急ぎて、和泉の灘といふ所に至りぬ。

『土佐日記』より引用



29日に土佐の泊に到着

翌30日の夜中に出航して…
阿波の水門を渡り…
沼島を過ぎて…

翌朝、和泉の灘に到着


「和泉の灘」ですから…
きっと今の大阪府内でしょうね~




旺文社文庫 村瀬敏夫・訳注『土佐日記』より引用



地図を見ると…

たしかに…


土佐泊は…

高知ではないように思われるのですが…
地図を見ながら文章は読まないし…(笑)



というわけで…

この辺の『土佐日記』のくだりが
どうも…イマイチよくわからなかったのです



だいたい…

男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。

ではじまる『土佐日記』…


男の紀貫之がこのように書いているワケですから~
『土佐日記』は創作部分も多いのです


ですからここも…

土佐泊も創作かぁ

ナンテ思ったりするワケです(笑)



鳴門市のバスの時刻表


鳴門駅前から
鳴門公園行のバスに乗って_🚌__

大塚美術館に行きました



途中

土佐泊というバス停があって…


え~

今でも使われている地名なんだぁ


ちょっと興奮でした(笑)



ちなみに…
このバスの終点「鳴門公園」で降りると

渦の道に行くことができます










カンケーないですけど…

というバス停には…何度聞いても笑いそうになりました


「次はです」と言われてもね~(笑)




でも…

バス停の名前を眺めるだけでも
歴史のある土地だとわかります~



土佐泊


バス停の土佐泊では…
だれも下車しないし、だれも乗らない…ので

バスはバス停で停まりませんでした…


が…


舟が停泊しているので…
たぶんこのあたりでしょう



土佐泊郵便局


バスが土佐泊バス停を過ぎると
郵便局が見えました~👀



鳴門土佐泊郵便局



その名も…土佐泊郵便局



このへんでコーフンして撮影している乗客は…

私のほかはだれもいませんでした(笑)




『土佐日記』旅程図



紀貫之は…

国府に近い高知県の大津を出発して
室津まで行くのですが

この室津から室戸岬越えがなかなかできず

何日も何日も足止めを食います



そして
ようやく土佐泊に到着したと思ったら…


すぐに翌日の夜には出航して…

翌朝は「和泉の灘」に到着するのです…



土佐泊=土佐だと思っていた私は…

メチャクチャ不自然に感じました(笑)



でも…この土佐泊鳴門だったら…


鳴門からは和歌山県が見えるほど近いのです




渦の道より撮影



飛島



四国の鳴門から紀伊半島の和歌山県を望む



『土佐日記』の船旅は…

紀貫之の京への旅路は…


京都へと続く本州の陸地を眺めながらの船旅だったんですね~


ちょっと…『土佐日記』のイメージが…変わりました…




=つづく=


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