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観光学科の授業の話

後期から
観光学科の3年生を教えている
科目は
「観光日本語」

これが・・
タイヘンなんだなぁ・・

初めて日本語を学習する学生だったら
問題はない
初心者、ということで
ひとつ、ひとつ
知らない言葉を
教えていけばいいのだから。

しかし
観光学科の学生は
2年生から日本語を勉強している
一応「みんなの日本語(教科書の名前)」は
38課まで
学習していることになっている
つまり
日本語学習者として
初心者ではないのだ

でも
今まで日本語を教えてもらった先生は
タイ人の先生ばっかりで
日本人に日本語を教えてもらうのは
これが初めての体験になる

一昔・・二昔前の
日本の英語教育を例にとると
わかりやすいかもしれない

例えば
中学1、2年で
日本人の先生に英語を教えてもらう
当然、日本語で説明をうける
英語の先生の英語も
失礼ながら
日本人に聞き取りやすい
ジャパニッシュだ

そのように
英語を学習してきた中学生が
もし
中学3年生になったとき
いきなり
アメリカ人の先生だけの英語の授業を
受けることになったら・・・
当然
アメリカ人の先生は
日本語は話せない
素晴らしく美しい
ネイティブの発音で
英語を話す
中学生は
「What's your name?」でさえ
聞き取れないかもしれない・・・

私が教える
観光学科の3年生が
まさに
こんな状態なのだ・・
当然
私は
素晴らしく美しい日本語を話す・・

初心者だったら
「おはようございます」や
「私の名前は○○です」
から教えればいい
でも
初心者ではないのだから
カリキュラム上それはできない
でも・・
日本語は通じない
でも
私はタイ語で説明できない

さて・・・
1回目の授業は
シラバスの説明
しかし
15人いるはずの学生は
5人しか来なかった
ミーティングがあったらしい

仕方ないが
とにかく
シラバスの説明をした
シラバスは英語で書いてある

日本語学科の学生の
お粗末な英語力を知っていた私は
観光学科の学生も同じようなものだと
期待しないで
英文のシラバスを読ませた

うまい・・

日本語学科の学生より
はるかに上手だ
トーゼン
私よりうまかった

まずはホッした
これなら
シラバスに書いてある英文は理解できるだろう
と思った

英文を読ませた後で
日本語とタイ語と図示をしながら
おおまかな内容の説明をした

例えば
Course Description(科目の説明)
なら、こんな感じ
①シラバスの英文を読ませる
Course Description
In this Japanese for Tourism 1 class, you will learn the conversation for tourism, such as at the airport, hotel, restaurant, and so on. In this class, we will cover some tourist attractions and sightseeing places in Bangkok.

②次に「日本地図?」を書く。
「日本です。」

③人を書く
「日本人です」

④タイの地図を書く
「タイです」
・・この辺で笑いが起こる
私のタイの地図はハート形なので

⑤「日本人がタイに来ます」

⑥「皆さんは『ガイド』です」
『ガイド』わかりますか?
タイ語で「ไก๊ด」です
私の発音では通じないので
紙に書いたタイ語の単語をみせる
・・学生はうなずく

⑦「日本人は『旅行』します
『旅行』わかりますか?
タイ語はコレ『××(タイ語省略)』です」

こんな感じでシラバスの説明を終えた
トーゼン
時間はかかった
でも
5人は「納得」という顔をしていた

さて
問題は2回目の授業
いなかったのが数人なら
あとで呼んで説明することもできる

ほとんどいなかったのだから
やっぱり
もう1度説明しなければならない・・

でも
あれだけ時間をかけて説明したことを
もう一度説明をするのは
こっちもカッタルイし
5人の学生も退屈だ

授業の前日まで
時々、思い出しては
悩んでいた

授業は金曜日
木曜日の
そろそろ寝ようかな・・
という時間になって
☆☆☆彡
ひらめいた☆☆

☆5人に説明してもらおう!!

授業の10分くらい前に教室に行き
座席表を書いた
と言っても
前のホワイトボードに
□を15個書いただけだ

□■□□■□□■□□■□□■□
こんな感じ

黒■は前回出席の5人の席
白□は初めて出席の学生の席

前回出席した学生の名前はわかるので
黒■に5人の名前を書いた

学生が教室に来た
自分の名前を見つけたようだ
見覚えのある学生に
「あなた○○さん?」
と聞いていき
それぞれの席に座らせる
日本語がわからなくても
大学生なので、
2人くらいが座ると
どう座ればいいのか判断できる

5人は自分の名前が書かれた席に
座ってくれた

そのあとは
もう
どうでもいい

今日初めての学生を
○の席に座らせる

まず
今日初めての学生にシラバスを配る
そして
前回出席の学生に
言って回った
「ココとココとココ、話します」

さすが大学生!
察しが良かった
5人の担当は
自分の左右に座っている2人
5人の学生は
自分の左右に座っている学生に
シラバスの説明を始めた・・

私は
学生による
シラバスの説明は
すぐ終わるかと思っていた
学生からシラバスの説明を受けている学生は
???の顔をしているかと思った

しかし・・
これが・・
学生のシラバスの説明は長かった
ずいぶんきちんと説明をしてくれているようだった
左右の学生も
うなずきながら
ちゃんとわかった顔をしながら聞いている

大成功!!

いや~(*^_^*)
もし
この日本語が通じない人たち全員に対して
私がひとりでシラバスの説明をしたなら
きっと
半分くらいの人は
???
だったことだろう
でも
今日のシラバスの説明は
タイ語での説明
彼らはちゃんと理解できていた

我ながら
自画自讃の
会心の
授業だった!(^^)!

・・・ン・・??授業ではない?

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コメント

No title

Tommyさん
お褒めの言葉、ありがとうございます(*^_^*)

No title

夕顔さん
そうであってほしいけれど・・ささやかな期待・・

No title

いえいえ、立派な授業(教育)だったと思います。
ビジネス上でもそうですが、ただ何かを教えるだけでは
相手の理解に繋がらないことが多いですので、
やはり、(こちらからはあまり話さずに)相手に考えさせて
発言させることが重要だと思います。
ですので、今回のケースはのりちゃんさんの会心の教育!
だったと思いますよ~^^

No title

あはは^^いいですね~^^
この調子でさくっと日本語もマスターしてもらいたいですねっ^^

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