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ゼミで紹介された森鷗外記念館の講演会に行きました=森茉莉と旧仮名遣いの話

森鷗外記念館に行きました


森鷗外記念館

文京区にあります
千駄木の駅から5分くらいの場所です

記念館は、鷗外の旧居「観湖楼」のあった場所にあります
ここに鷗外は
1892年~1922年に亡くなるまで、住みました



鷗外記念館には
鷗外忌記念対談「森茉莉という自由」を聞きに行きました
「森茉莉」とは、森鷗外の長女です

私…
今年から、放送大学で修士論文を書いています

通信教育ですが…
2ケ月に1度、ゼミがあります

ゼミに行くと…
顔だけ知っている(笑)ほかの教授のゼミも行われています

私はすでに10科目の講義を受講しているので
顔だけ知っている教授も多いのです
(1科目の担当が、おひとりではないので)

四月の、入学オリエンテーションのとき
文化科学研究科の教授を、ほとんど知っていたので
自分でも驚きました(笑)

6月に、2度目のゼミがありました

私のゼミでは…
ゼミの一週間ほど前が、論文レポートの締め切りです
提出日までに、論文レポートを郵送します

郵送した論文レポートは…
添削され、ゼミの時に返却されるのです

だいたい「1章」ずつ書いてゼミに参加するので
この調子なら、2年間で論文が書けそうです
(甘い
まあ、途中でスランプやらドツボにはまるということがなければの話ですが…(笑)

6月のゼミのとき、修士論文指導教授から、
講演会のお知らせ
2つ、ありました

1つ目は、「徒然草」
2つ目が、「森茉莉」です

ゼミの休憩時間に、さっそく申し込みました(笑)
2つとも

講演者本人から、お誘いがあるなんて
なかなかの、役得です(笑)
東京に住んでいることを
満足する瞬間です(笑)
(遠方の方は、うらやましがっていました)

私…
森茉莉の「私の美の世界」という本を持っています
エッセー集です

なぜ買ったのか、覚えていないのですが…
おそらく…そのころ…歴史的仮名遣い大好き「丸谷才一」を読んでいたので
その中に、「森茉莉」のことが書いてあったのだと思います

森茉莉の「私の美の世界」の中に
「日本語とフランス語」という文章があります
私は、この文章が好きです

森鷗外も「現代仮名遣い」には反対だったようです…

昔からお役所というところはろくでもないことを思いつく場所だったとみえて、旧仮名を新仮名に直すという案を出したが、その時には、オーガイという、日本語を絶対にこわしたくない軍医がいて、その思いつきを潰してしまった。
(中略)
新仮名にすることに殆ど定まりかかっていた会議に出て行って、長い長い話をして、とうとう新仮名遣い案を葬り去ってしまった
森茉莉「日本語とフランス語」より

森茉莉は、「歴史的仮名遣い」に賛成で「現代仮名遣い」に反対の理由を
きれいなものがきれいでなくなるからである
と言っています

ちやうちんはちょうちんになり
らふそくはろうそくになり
てふてふはちょうちょうになってしまった。
てふてふと書くとあの、ひらひらと翅を動かして、かろやかに舞い飛ぶ蝶の感じが出るが、
ちょうちょうと書くのでは地べたをのろのろ匍(は)っている虫のようでもあるし、蛔虫のようでもある。
森茉莉「日本語とフランス語」より

これを読んで「目から鱗」でしたね~

現代仮名遣いで育った私は…
今時、「歴史的仮名遣い」がいいという人がいるなんて
と不思議に思っていました
しかし…書いてみると
たしかに
てふてふ
飛べます
ちょうちょう
落っこちます

私は、よく、古典の授業の導入のとき黒板に
てふてふ
ょうちょう
大きく書いて
どっちが飛べそう
という質問をしました

平成生まれの中学生の大半が
てふてふ
に手をあげました

森茉莉の感覚は、すご~く正しかったのです

講演会で教授は
森茉莉は千年にひとりの女流作家だと思います
とおっしゃいました

千年前の女流作家とは、清少納言
清少納言に匹敵するという意味でした
百年後、二百年後、ひょっとしたら千年後も読まれている作家ではないかと…

この言葉を聞いて
私は…なんとなく…非常に納得してしまいました(笑)

なんだか今にして思うと…
発音は変わるものですから
現代仮名遣いに直したところで
無駄だったように思います

いま仮名通りに発音している人は…ほとんどいないです

例えば…

号令の気をつけ
「き」「を」「つ」「け」
と号令をかけたら、きっとみんな笑ってしまうでしょう
キョーツケです
生徒たちは作文などで
きよつけ
と書きますから…(笑)

放送大学の「日本語概説」という講義で
静岡のことを、静岡の人は
しぞーか と発音します
というくだりがあり、笑ってしまいました
看板までしぞーか と書かれた看板があるそうです

埼玉だって、さきたまさいたまになった…
これは、「歴史的仮名遣い」ではなく「音便」ですけど…
さきとしか読まない「埼」の漢字を、さいと読ませていたのですね~
さいたま市とひらがな書きするようになりましたが…
もし、みんなが
さーたま
と呼ぶようになったら
さーたま市
に変わるのでしょうか

とにかく、日常では文字通りには発音しないのですから
文字通りに読むように、書き言葉の仮名を変えることに
無理があるように思うのです
かつて、「歴史的仮名遣い」を「現代仮名遣い」に変更することに反対した人たちは
本当に、先見の明がある、スゴイ方たちだと思います

この先、「新新新仮名遣い」とかできて…
「歴史的仮名遣い」なんてだれも読めない日がくるのかもしれません…
万葉仮名のように…











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コメント

No title

> 夕顔さん
大丈夫です!(^^)!
中3つのコメントは、念のため(笑)「承認していない」ので他の人には見えていません。わかってて、「満載」なのかと思っていましたが?…(笑)
のりちゃんが、コメントで独り言をヤタラとつぶやいている…と不気味に思った方もいるかも…(笑)

No title

あはは、個人情報満載ですね^^;
きっとラオス時代の印象が強いのですね~。
私も「タイの日本語教師と言えばのりちゃん!」ですもん^^
記憶の上書きはなかなか難しいですね~。
古風…でした?いまだにガラケーとかだからかしら。

No title

> 夕顔さん
何度もプライベート情報をありがとうございます(笑)
思い込みのイメージとは恐ろしいもので…(笑)5年後くらいに、また、「20代の夕顔さん…」なんてコメントをするかもしれませんが、怒らないで下さい。そういえば…時々「若いのに古風な方。おばあちゃん子かしら?」と妄想していたのを、思い出しました(笑)

No title

> 夕顔さん
3年の社会人経験って、初耳(イヤ、初見?)です(@_@)
25歳まで申し込み可という年齢制限って、アレは協力隊ではなくて、ワーホリだったか?…(笑)
でも、私のほうが、もっと大人げない?ようです…(笑)

No title

> 夕顔さん
えっ???失礼しました。私にとって、夕顔さんて…大学院卒業したばかりの、25~26歳くらいのイメージでした(笑)まだ、平成28年だから…ヒョットして…と思ったもんですから…だから、ブログのアクセス解析でも、20代の方の訪問があると、「夕顔さんだぁ」と思っていたのは、タイヘンな勘違いだったのですね~(笑)

No title

> 夕顔さん
ありがとうございます!(^^)!うれしいことを…(笑)
ヒョッ…ヒョットして…夕顔さんって、平成生まれの中学生…(絶句)

No title

てふてふ、かわいい^^
「ころもほすてふあまのかぐやま」ですねっ。
「てふてふ」と「ちょうちょう」の、のりちゃんの授業を受けてみたいです!

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